ゼニマックス・メディアの創設者及びCEOのロバート・A・アルトマン氏が亡くなる
ベセスダの公式Twitterがベセスダ・オンライン・スタジオやZOSの親会社であるゼニマックス・メディアの創設者兼CEOであったロバート・A.・アルトマン氏の訃報を伝える事になりました。
We are deeply saddened to tell you of the passing of Robert A. Altman, our Founder and CEO. He was a true visionary, friend, and believer in the spirit of people and the power of what they could accomplish together. He was an extraordinary leader, and an even better human being. pic.twitter.com/FZFsVtHc5t
— Bethesda (@bethesda) February 4, 2021
創設者でありCEOでもあるロバート・A・アルトマンの訃報をお伝えしなくてはいけない事を大変悲しんでいます。彼は本当の意味での先見の明の人であり、友人であり、人々の精神と人が共に成し遂げると言う力を信じている人でありました。彼は極めて素晴らしいリーダーであり、優れた人物でもありました。(訳:RSR 管理人)
ベセスダとZOSのゲームを通しずっとファンとしてその作品を愛して来たファンとして、心からアルトマン氏のご冥福をお祈りします。そして彼が遺した偉業と夢、精神が、今後も多くのゼニマックスとベセスダの人々と作品に受け継がれて行く事をお祈りしています。
現在、当然のようにゼニマックスとベセスダの全ての人々が悲しみの中にあって喪に服しているような感じで、Besethda.netのサイトも、故アルトマン氏の死を悼みその業績を伝えるメモリアル・ページになっています。
そして、このページは故アルトマン氏のご子息であるジェームズ・アルトマン氏の手紙に繋がります。
そこでは彼の亡き父の思い出が語られ(これはベセスダの日本語公式が訳してくれると思ってます)、その最後の部分には、その会社がマイクロソフトに買収される事になった事にも触れられています。それが苦渋の選択であった事がうかかえるし、マイクロソフトのゲーム部門を率いるフィル・スペンサー氏はアルトマン氏の親友であった事にも触れられています。
ジェームズ・アルトマン氏からの手紙の最後の部分だけ訳します。
父ロバートについては無限に話をする事ができますが、ロバートから受けた幾つかの人生の教訓で締めくくる事が適切と思っています。
- 友人と家族ほど人生において重要なものはありません。実際、それ以外に重要なものはありません。
- 正しい角を曲がり、誠実な人生を生きて下さい。そしてよく眠ります。
- 鍛錬と勤勉さは才能より重要です(そして準備された会議に来るべきです)
マイクロソフトと契約を結ぶ事は我々全員にとってはほろ苦い(訳者注:嬉しくもあり悲しい)瞬間にもなるでしょう。しかし、私自身は我々の会社が父ロバートの友人の有能な手にある事に安心しています。そして、ファンの為に世界最高のゲームを作る事により、彼の遺してくれたものに敬意を表して行く事になると思っています。
(訳:RSR 管理人)
合掌…。自分達もファンとしてサポートして行きたいと思うし、今後も多くの作品を楽しみにしていたいと思います。
実は明日(日本時間では今日の事か?)はゼニマックスの創設21年目のアニバーサリー・デーであるらしく、こういう時に創設者兼CEOの訃報と重なると言うのは、その会社の人にとってはかなり複雑な状況であると思っているし、Besethda netの記事には「この日は、一緒に過ごして来た長い旅を振り返る事をおすすめします」と書いてあります。
それで、なかなかファンの中ではゼニマックスのCEOであられたロバート・A・アルトマン氏について詳しく知る機会はなかったけども、彼はゲーム業界の出身ではなく、実は法務関係(弁護士)の専門家の出身で、そのお父さんもハーバードのロースクールの出身者だったそうです。法務関係の仕事で成功をおさめ(ジミー・カーター元大統領の法務も担当したと言うこと)、その後、金融関係の方でも重職をこなし(アメリカではかなりのビッグネームだったと言う話)、しかし、ある汚名を着せられるような裁判を通して銀行業務の永久禁止と言う措置に承諾する事になり、この裁判の後に再びワシントンDCで法務関係の仕事を再開。1999年にベセスダ・ソフトワークスの創設者のクリストファー・ウィーバー氏と共にゼニマックス・メディアを創設したそうです。
マイクロソフトによるゼニマックスの買収の公式発表があった時、ベセスダ・ゲーム・スタジオ(TESやFOを作って来たスタジオ)のトッド・ハワード氏が以前にもゼニマックスによる買収を経験している…と語っていたように、アルトマン氏とウィーバー氏がゼニマックス・メディアを創設した同年、ベセスダ・ゲーム・スタジオは買収され、そしてゼニマックスは、2007年にはMMO系スタジオを買収してESOを製作しているゼニマックス・オンライン・スタジオを立ち上げる事になったようです。
個人的に「なるほど」と思ったのは、ロバート・A・アルトマン氏の奥さんは女優であるリンダ・カーターさん(昔のワンダー・ウーマンの女優として有名)で、実はこのリンダ・カーターさんはTES4のオブリビオンやTES5のスカイリムでノルドの女性の声を担当していました。
今日はこういうニュースを聞くことになって悲しい日になってしまうけども、彼が会社を立ち上げ遺してくれたゲームをプレイしながら、ロバート・A・アルトマン氏を追悼したいと思っています。
追記: 現在、エルダースクロールズ関係のTwitterでは、このアルトマン氏の訃報についての「お悔やみ」が溢れかえっているような状態で、ピート・ハインズ氏は当然、特にESOの関係者からのTweetには非常に心を打たれます。ESOはリリース直後の評価がズタズタで、普通ならそこでチームの何人かを解雇したり、継続さえ難しい判断を下す筈が、アルトマン氏はZOSの人たちを信じてその開発継続を決断して応援してくれた…とありました。本当にアルトマン氏は人望があるリーダーだったようです。