F1のベルギーGPの予選が終わって、フェラーリのルクレールのポールポジション。
チャンピオンのチームメイトのベッテルを抑えてのPPだけに...と言うか、坂を時速で300km以上で駆け上がって素早く左の縁石を拾いに行くオー・ルージュの存在も然り、テクニカルな高速コーナーがかなり多かったりで、ある意味で度胸や男気を試されるコースの一つに思える事もある。
セナ5勝、シューマッハ6勝、ライコネン4勝(次いで、ベッテルとハミルトンが3勝づつ)...この3人が最も多くスパを勝って来たドライバーだけど、どのドライバーも豪胆と言うか大胆不敵なイメージがある。
今年の予選でもライコネンはやはり...と言うか、今年もアルファロメオの車でも8位に入って来て、スパ大得意の彼は健在だった。
CLASSIFICATION: END OF QUALIFYING
Confirmation of a third career pole position for Charles Leclerc!#F1 #BelgianGP 🇧🇪 pic.twitter.com/D7AZ0ozypv
— Formula 1 (@F1) August 31, 2019
個人的にこの予選でウケたのは、予選本戦ではなくて、最後のドライバーへのインタビューだった。
予選上位3人にインタビューしたのは、かつてトヨタでF1に走っていたティモ・グロックだったんけど(今もDTMで走っているのかな?)、彼が予選3位のハミルトンにマイクを向けた時、2008年のハミルトンの初タイトルの事が蘇って来たwww
その2008年のタイトル決定は最終戦までもつれ込んで、フェラーリのマッサとマクラーレンのハミルトンによって競われていたけど、そのインテルラゴスの最後10周でとんでもないドラマが起きた。
雨が降って来て、多くのドライバーがタイヤをインターミディエイトに変える為にピットに飛び込んだけど、トヨタの2台(グロックとトゥルーリ)だけはドライタイヤのままトラックにステイする事を選んだ。
最後の周回近く、雨で本調子が出ない4位走行のハミルトンはクビサとベッテルにオーバーテイクを食らって6位に脱落。マッサは一足先に先頭でトップチェッカーを受けて、マッサ優勝。その年のタイトルも彼に決まったように殆ど見えていた。フェラーリのガレージでは、マッサの家族がほぼお祭り状態になっていた。
しかし、急に雨足が強くなり、5位走行のトヨタのグロックはタイヤ交換をしなかった事が響いてペースがガタガタに落ちて、ハミルトンはそれを最周回にオーバーテイクして5位でチェッカー。
これにより、マッサに転がったと思っていたF1タイトルがハミルトンに急に転がり込んだ。僅か1ポイント差で、ハミルトンはマッサを逆転して彼の最初のF1タイトルを手にする事になった。
F1: Brazil 2008 [Final Lap + Podium]
(この動画はYouTubeのサイト内でしか見れないようで)
リンク先の上の動画が、その2008年のインテルラゴスの最後の1周だけども、こういう動画に残されてしまう位、この年のタイトルの行方は劇的だった。
しかし、ディモ・グロックがハミルトンにオーバーテイクされて、それがマッサからタイトルを奪ったように感じたファンは、最後までドライタイヤで粘ってしまったグロックを酷く責め続ける事になり、あの時のグロックはすごい可愛そうな事になっていた。
当時は、ハミルトンも多くのファンから「生意気なガキ」みたいな扱いを受けていて、その走りの才能を抜きにしてハミルトンを嫌うファンも多くて、グロックも一緒にそのやり玉に上がってしまったような感じにも見えた。
今ではそのハミルトンは5回のF1タイトルを手にして、ハミルトンの天才的な走りにケチを付ける人は殆ど居ないと思うけども、しかし、今でもたまに思う事がある。もしこの時、マッサがタイトルを獲っていたら...。それは何かを変える事はあったのか?とかね。
これは自分が知っているリアルタイムのF1の中でも最も奇想天外なタイトルの顛末で、その前年の2007年の最後のレースも最後の最後でライコネンがタイトルを獲得する...と言うすごい展開になったけど、この頃は、ライバルチーム同士の熾烈な争いが続いていて、タイトルが最終戦にもつれ込む事も多くて本当にF1が魅力的だった。
それから11年もの月日が流れて、マッサやグロックはF1を去ったけども、あの2008年の最終レースに居たハミルトン、ベッテル、クビサはまだF1に居る。いつも思う事は、クビサはベッテルとハミルトンの並ぶ逸材として当時注目されていて、もしラリーでの彼の事故が無かったら、ハミルトン、ベッテルのF1タイトル5勝、4勝と言う結果が変わっていたのか...?とかね。いつもF1には、タラレバが付きまとう。
さて、明日も良いレースを見れる事を期待しているけども、スパの気まぐれな天気は明日はどうなんだろう...。
贔屓のホンダは、フェルスタッペンをもっても5位で、トロロッソにおいては、Q1の赤旗の影響でろくにタイムさえ出せない状況だった。
ベルギー、次のモンツァのエンジン・サーキット(高速でエンジンの回転数が高い状態が続く)と呼ばれる2戦でホンダのPUがどれだけ頑張れるのか、祈りながら見守りたいと思う。