今、モータースポーツ関係のニュースを見ていたら、ちょっとびっくりした...
スパ・フランコルシャンでは、今週末、F1と共にその直下のカテゴリーのF2のレースも行われているけども、そこでドライバーの死亡事故が起きたと言う。
心より亡くなったユベール選手のご冥福を祈ると共に、ご家族や関係者にはお悔やみを申し上げます。
自分は1994年に起きたF1の大スター、アイルトン・セナのクラッシュ死亡事故はリアル・タイムでは知らないけども、しかし、そのあまりにも大きな悲劇はモータースポーツの様々な安全性においての改革をもたらした。
暫く自分が知っているF1では長らくドライバーが死ぬような事故は無かったし...しかし、他のカテゴリーを見れば、色々な悲劇もあった。よく覚えている一つは、2011年のインディのダン・ウェルドンの死とか...。
そして、多くのF1ファンは、2015年、鈴鹿でのアクシデントを理由としたジュール・ビアンキの死と向き合う事になった。全てのファンと関係者はビアンキの様態の改善を祈り続けていたけども、事故の約9ヶ月後、殆ど意識が戻らないままビアンキは25歳と言う若さで天国の人になった。
これは間違いなくモータースポーツ界の人々とファンに大きな衝撃を与える事になったし、殆どの人がこういう事故は絶対に起きてほしくないと思いつつ、しかし、モータースポーツにおいて「安全の絶対」など全くない事に気付かされる出来事でもあった。
そして、今度はF2のスパ・フランコルシャンで、22歳の命が奪われる事になった。
...本当の事を言うと、自分はあまり綺麗ごとを言いたくないし、モータースポーツに身を預けるドライバーは、その危険を覚悟でその世界に身を置いている...と思っている。だから、どんなにフェデレーションが安全に気を掛けようが、それだけでは絶対に防ぎ切れないし、非常に厳しい現実がそこにある事が多い。
...それでも遣る瀬無い気持ちになるよね。こうは言ってみるものの...。
それで、一体スパのどこでその事故が起きたのか、Daznの見逃し配信でそれを確認しようと思ったけども、こういう事故があったからなのか、関係者や家族への配慮なのか、今は見れない。
その為、YouTubeの動画でそれを確認したけども、「やっぱここか...」みたいな場所で、昨日予選記事にも書いたけども、スパには「オー・ルージュ」と言う度胸試しのとんでもないコーナーがある。F1なら300kmを越えて一気にその坂を登りつめて、高速を維持したままハンドルを切り返して行く「ラディオン」と言うコーナー群を抜ける。今回の悲劇は、そのコーナーを抜けたところで起きたものに見えている。
多分、そのコースを経験した事がある人なら（ゲーム・シミュレーターであっても）、そこで事故が起きた事については、言うべき言葉を失くすと思う。そこは何が起きてもおかしくは無い...と思える場所だから。
なんでそんな危険なコーナーがあるんだよ...ともし文句を言う人が居るなら、それは、はっきり言ってモータースポーツとかどうでも良く思っている人だと思う。普通の人なら恐ろしくてアクセルを踏み込めないような場所をフラット・アウト（全開）で抜けれるからこそ、彼らは「プロのドライバー」と呼ばれる。そして、ファンはその技術と度胸に魅せられる。
スパ・フランコルシャンと鈴鹿は、いつもドライバーズ・サーキットと呼ばれて来て、ドライバーもその2つを愛する人達が多いけども、自分達にどれだけの技術があるのか、それを見せつける大舞台でもある。それ位、昔からその2つは度胸と制御が高いレベルで必要な高速のテクニカル・コースとして認識されている。
まだ、その事故の動画をじっくり見てないから何とも言えないんだけど、しかし、ぱっと見た感じ、亡くなったユベール選手の前に2台の車があって、その2台の後ろの車が前方の車のスリップに入って衝突、そこにユベール選手が突っ込んでしまった形に今は見えている（もしかしたら、見解が違っていたらスミマセン）。
こういうのもレースではよくあるアクシデントで、しかし、F2の車がどの位の最高速が出るんだか知らないけど、F1では270kmくらいは多分出ている場所と思うし、高速で起こる事故と言うのは、とんでもない事を引き起こしてしまう事がある。
知っておかなくてはいけない事は、そこはこういう事が起きてしまってもちっともおかしくない場所であり、それが普段あまり起きないのは、多くのドライバーの制御でそれが防がれている...と言う事。そして、悲劇的な事故と言うのは、ただ一つのミスやトラブルだけではなく、多くの要素が重なって起きている事も多い。
...こんな事を分析したところで、事故で亡くなったユベール選手が戻って来るわけでなし、もうこの話しはやめて、今はユベール選手の冥福を祈ると共に、この事故で足を骨折したコレア選手の回復を祈りたいと思う。
そして今日、もしスパのF1を見るなら、スパと言う高速の何が起きてもおかしくはない難しいコースにおいて、ドライバーの素晴らしい車を制御する技術で、多くのものが守られている事を思い出すべきだと思う。