イタリアGPの決勝が終わり、雨とか言ったのは誰だよ...と言う感じで、全く雨の気配さえ感じられない良い天気の中でレースは進む事になった。
目次
ルクレールがメルセデスを封じて、9年ぶりにフェラーリにモンツァ勝利をもたらす
そして、先週のスパに引き続き、フェラーリのルクレールが再びポール・トゥ・ウィン。
🏁 CLASSIFICATION 🏁
Confirmation of @Charles_Leclerc's victory at Monza, with Mercedes completing the podium#F1 #ItalianGP 🇮🇹 pic.twitter.com/Az1sRZjXo3
— Formula 1 (@F1) September 8, 2019
このフェラーリ母国のモンツァでのフェラーリの勝利は2010年のアロンソ以来と言う事で、イタリアのファンは大喜びだし、このすごいティフォシの量...w
🏆 @Charles_Leclerc #F1 #ItalianGP 🇮🇹 pic.twitter.com/HJgsBx8V12
— Formula 1 (@F1) September 8, 2019
F1の世代交代が起きつつあると言うか...自分はシューマッハ時代の後半からF1を見ている一人だけど、そのシューマッハ時代の後、アロンソ&ライコネン(バトンとマッサも加えたいけど)の群雄割拠の時代が来て、次はベッテルとハミルトン時代。今度は、フェルスタッペンとルクレールが一つの時代を作るかもしれないと期待されている。
そして、今日思った事は、やっぱり違うチーム同士が接戦で優勝を競うのはファンも燃えるしレースが盛り上がる。今後もこういう違うチーム同士が最後まで競い合うレースに期待するし、個人的にはハミルトンがすごい好きだけど、しかし、もうメルセデスが一人勝ちのレースはあまり見たくないw
ファラーリの光と影
しかし、ルクレールが優勝して盛り上がるフェラーリで、まるでフェラーリの「光と影」と言うべきか、ベッテルが4度のF1チャンピオンにあるまじき行為した...と言う事に非難も集まっている。
LAP 7/53
Vettel loses control at Turn Nine, and collides with Stroll as he returns
And then Stroll comes close to colliding with Gasly as he gets back on the track#F1 #ItalianGP 🇮🇹 pic.twitter.com/zZCViHSN98
— Formula 1 (@F1) September 8, 2019
このF1公式Tweetにもあるように、ベッテルはターン9(アスカリのコーナー群の真ん中)で単独スピンをして、その高速シケインで強引に車をトラックに戻そうとして、何台かの車を巻き込むインシデントの原因を作る事になった。
この映像はF1公式YouTubeでも見れる。
Vettel Spins Out Of Contention at Monza | 2019 Italian Grand Prix
アスカリシケインは非常に難しいコーナー群で、シケインと言っても実はs字型のコーナー群で、F1だと170km/h前後のかなりの高速で突っ込んで行く事になる。ベッテルはその縁石でバランスを崩して前のグリップが全く効かない状態で単独スピンしたように見える。
しかし、それよりもっと問題があったのは、スピンの後のトラックへの車の戻し方。
普通は、ちゃんと安全確認して、他の車の走行の邪魔にならないようにトラックに戻るべきだけど(これはドライバーの基本中の基本)、しかし、強引にトラックに復帰しようとしてストロールと接触してストロールもスピン。更に、ストロールもそこに立ち往生して、強引に車を動かした為にガスリーの車に迷惑を掛ける事になった。
この二人は、この基本が出来てない危険行動に対してペナルティを課された。
厳しいファンは、それはベッテルのブラック・フラッグ(黒旗)級のミスとさえ言ったし、ブラック・フラッグ級かどうかは自分にはわからないけど、しかし、チャンピオンにあるまじき行為とは自分も認める。
しかし、言いたくはないけども、ベッテルは不可解なスピンとか接触が多くて、どうしたんだろう...とか心配にもなるけども...
(色々と思う事はあるんだけど、それは今日は書かないでおく)
追記: ベッテルとストロールのペナルティについてFIAが説明
モンツァ決勝のホンダ
そして次はモンツァでのホンダの話し。
順位の結果だけ見ると、なんか不完全燃焼な感じもファンは受けるかもしれないけど、個人的にはやっぱりフェルスタッペンは速いドライバーだと思うし、アルボンも頑張っていたし、レッドブルに関しては車は多分素晴らしい出来と思う事にもなった。
問題は、フェルスタッペンも最後尾スタートであるにも拘らず、レースの最初で接触に巻き込まれて早々にピットインを強いられたし、アルボンもミスでペナルティを貰ったりで、それがなければもっと良い結果があったと思っている。ガスリーもベッテルとストロールに一件に巻き込まれてしまう不幸があった。
そして、PUに関して一つ気になるのは、トロロッソのクビアトがオイル漏れの為に車を止めなくてはいけなかった事で、ホンダの田辺さんは「発生箇所の特定を急ぐ」と言っている。
#F1jp 第14戦イタリアGPの決勝は、Honda勢にとっては難しいレースとなりましたが、現地の田辺豊治Honda F1テクニカルディレクターからコメントが届きましたのでご紹介します。#ホンダモースポ #PoweredByHonda pic.twitter.com/lVg8DEeQEc
— HondaモータースポーツLive (@HondaJP_Live) September 8, 2019
Daznがフェルスタッペンのオンボード映像を流してくれていた事
自分はDaznでF1を見ているけども、DaznのF1チャンネルには、予選とレースを4分割で見れる「F1 Zone」と言うのがある。
この画面がそうだけど、左上は普通のレース映像で、右上はオンボード映像。
そしたら今回のモンツァ決勝のオンボード映像は、有り難い事にフェルスタッペンのオンボード映像の垂れ流しで、嘘でなく7-8割がフェルスタッペンだったと思う。これはDaznの意志と言うより、リバティ・メディアの意志で提供されている映像だと思うけども、どれだけフェルスタッペンが注目されているのか、その顕れにも思ったりした。
このオンボード映像には、ギアと速度が出るし、このお陰でレッドブルの車が一体どの位の速度で走っているのかずっと確認する事が出来た。
モンツァのスピードトラップ
今日のF1全体のスピードトラップ(最高速)はこうなっていた。
SPEED TRAP 🚀
Vettel and Verstappen set the fastest speeds as they aim to move through the pack#F1 #ItalianGP 🇮🇹 pic.twitter.com/NBOCXm6Wa3
— Formula 1 (@F1) September 8, 2019
やっぱりモンツァの最高速はとんでもねぇぇwww シングルシーターのレースで、まるでルマン24時間みたいな最高速になっているし。
しかし、これは、スリップストリームを利用してDRSを使った速度だからこんな化け物みたいな数値になっているだけで、だから、ベッテルが1位の最高速度を記録していても、同じフェラーリで先頭をずっと走り続けたルクレールの最高速度はここにはない。
この2位にフェルスタッペンの名前もあるけど、レッドブルの車の場合、単独走行の場合は、最高速は320km前後のように見えていた。
(実はボッタスのオンボードを見る限り、メルセデスも単独走行では最高速はそれほど高くなかったように思う)
だから、最後、フェルスタッペンもなかなか前のペレスに追いつけないし、多分、ペレスの方が最高速が出るセッティングだったのかもしれない。モンツァのコースは、コーナーじゃ当然のように敵をオーバーテイク出来ないし、本気で相手を抜こうと思うなら、展開に恵まれない限り、相手より高いスピードトラップを持つしかない。
多分、メルセデスも同じような事に陥っていて、あのPUをもってもフェラーリが抜けない。フェラーリが母国のGPの為にPUに命を掛けて来たか、それとも、雨の予報があっただけに、メルセデスはそれを警戒していたのか...。
モンツァのファステストラップ
実際、フェラーリを抜けないメルセデスもちゃんとタイムは出ていて、綺麗にそれが維持されていたし、実はレッドブル勢も前のフェラーリとメルセデスとそれほど変わらない1分23秒台を出し続けていた。
この決勝レースで、毎周回でコンスタントに1分23秒台で走る事が出来たのは、メルセデスとフェラーリ、レッドブルの3チームだけだった。アルボンも頑張ってそのタイムをきちんと維持していた。
これがモンツァのレースで記録されたファステストラップ。
FASTEST LAPS
Bottas is giving it his all
Hamilton is about to box, though... 👀#F1 #ItalianGP 🇮🇹 pic.twitter.com/wLwYf1lcfY
— Formula 1 (@F1) September 8, 2019
(↑ 最後、ハミルトンがソフトにタイヤを変えてファステストラップを狙いに行ったけども、そのタイムは含まれてない)
フェルスタッペンはベスト3に入るタイムを記録してるし、アルボンもちゃんとベスト6に入ってきちんと役目を果たしている。
だから、結論としてモンツァの場合は、ラップタイムがオーバーテイクにあまり関係しない...とも言えるのかもしれない。
モンツァは直線が多くて非常に極端な特性を持っているわけだけど、コーナーが速い車でタイムを纏められる車も、コーナーで前に詰まればコーナー速度なんて無意味になるし、前に居るコーナーの遅い車の速度に付き合う事になるだけ。しかし、それを抜けて直線に入ると、コーナーが遅かった前の車がドッカンスピードで引き離しに掛かるwww
これがモンツァのレースの特性なのかもしれない。だから、ダウンフォースを出来るだけ下げて、トップスピードを取るのがモンツァのレースの定石になっているとも言える。
だから、メルセデスの車もレッドブルの車も多分総合力は高かった筈で、ラップタイムが出ているにも拘らず、直線スピードでやられた...とも言えるかもしれない。
次のシンガポールとかロシアのサーキットのコースは、個人的に語るのは難しいんだけど、その後に来る鈴鹿は説明できると思うし、今日の車の特性から見れば、レッドブルは決して総合的なスピードはそれほど劣ってはいないと思う事になった。
鈴鹿は特に良いダウンフォース、良いエンジンパワー、そしてこの超テクニカルコースを克服できるドライバーのスキル等、総合的なスピードが問われるコースだと思う。
今日のDaznのオンボード映像を見る限り、レッドブルの車の挙動は非常に素直で乗りやすそうな車に見えていたし、次のレースを楽しみにしたいと思う。
(シンガポールではドライバーは暑さと湿気との戦いになるけども、レッドブル&トロ・ロッソとホンダの全員が体調を壊す事なく無事にレースを乗り切れる事を祈っております)