アレサ・フランクリンの訃報から既に2週間以上が経とうとしている。
アメリカ音楽界、殊にソウル界の超大物の死だっただけに、音楽業界に与えた衝撃はかなり大きくて、自分も数日、アレサの曲を聴いて彼女を偲ぶ日々が続いていた。
そして、日本時間だと8月31日になるのか、アレサの葬儀が行われ、CNNやピープル誌の各サイトでその葬儀の様子を読む事が出来た。
Unforgettable moments from Aretha Franklin's funeral(CNN)
100 Pink Cadillacs and a Final Outfit Change: What You Didn't See at Aretha Franklin's Funeral(People)
CNNの記事は、長年の彼女の友人であるモータウンの大御所、スモーキー・ロビンソンの演説に触れていたり、ピープルの記事では、アレサの葬儀に100台ものキャデラックが並んだ事に触れていた。印象的だったのは、この葬儀に至るまでの一週間、クイーン・オブ・ソウルは、4回もの”お召替え”(衣装を変える)をしたと書いている事だった。
いつもアレサは豪華なドレスを着てステージに立っているイメージがあったけど、関係者の人たちも在りし日のアレサのまま、そのオシャレな日常に気を配っていたのかもしれない。
そして、アレサは音楽業界の重鎮だけに、その葬儀では色々なアーティストの追悼の歌も披露された。
その中にソウル界のもう一人の大重鎮であるスティービー・ワンダーのパフォーマンスがあった。
歌の部分だけくり抜いた動画もあるけど、スティービーの哀愁あるハーモニカのソロ演奏や哀悼の言葉も含まれるこの動画は、スティービーの思いが伝わって来る。
(歌は動画8分あたりから)
アレサの様態が重篤になった時、スティービーはそこに駆けつけて側に居る事を許された一人であったと聞いたけど、アレサはスティービーのプロデュースでアルバムを作る予定があった事も聞いた。
先日も、アレサの自分の訃報記事に「自分がアレサの歌で最も好きなもの」と紹介した曲も、スティービーが10代の時に書いたものだった。
そして、アレサの葬儀でスティービーがアレサに捧げた歌は、「AS(I'll Be Loving You Always)」
スティービーの超名曲の一つで、スティービーを語る時に絶対に外してはならないとも言えるアルバム「Songs in the Key of life」の中の名曲だった。
なぜスティービーが数多くある自分の作品の中から、アレサに捧げる曲としてこれを選んだのか?
その理由は色々あるのかもしれないけど、「I'll Be Loving You Always」と言う曲名...これがスティービーのアレサへの想いをそのまま物語っているように思えてならない。
「いつだって私はあなたを愛して行くよ」
この状況で、涙無くして聞けない言葉に思う...。
ここ数年、音楽業界(ことに洋楽)では訃報が立て続いていて、自分もまさかこんなに沢山の訃報記事を書く事になるとも思ってもなかったし、あまりに沢山の人の訃報があった為にその全部を記事にできないほどだったけど...。
周りを見渡せば「あの人も高齢、この人も高齢」みたいな感じになっていて、その才能がいつ失われるのか、本当に恐ろしくなって来る事がある。縁起でもない事を書いてるのは承知だけど、本当に正直な意見として...
だから、最近の訃報続きの音楽界の状況が、自分の中でトラウマにみたいになってるけど、それでも、何か自分が知ってる事を少しでも書いて、誰かの今後の知識の足しになるなら...と言う感じなのが辛い。
誰の命が失われてもその生命の重みは同じであれど、音楽の業界から見れば、アレサは、その中でも「超大御所」と言う存在で、暫くは彼女の思い出に関する話は、色々な所で聞けるように思えている。
これは2005年のアレサとスティービーのパフォーマンスだけど、この曲は、先日、自分がアレサの曲で一番好きな曲と紹介したもの。
アレサよ、永遠に...