最近、Spotifyで色々な曲を聴き漁る事で日常を消費し続けている管理人ですが...w しかし、人の人生の時間なんて多分限られていて、どんなに頑張っても一日に聞ける音楽の量なんてのも限界があって、だいたい音楽を聴くのに「頑張る」なんて表現を使う人は少ないと思うけどwww
Music is my life!!
それで、昨日は多分自分達の世代では殆どメジャーではないだろうジャズ・スタンダードのところ(spotify)に居たけど、自分にとってのジャズはジャスティン・ビーバーの音楽とかに比べればはるかに日常的な音。子供の時から、親父の親友の関係で、ジャズとかやってるミュージシャンの知り合いがかなり居た。
そういう自分にとって、エラ・フィッツジェラルドと言う伝説的なシンガーは当然「ジャズ神」であって...
恥ずかしい事を書くけど、自分の結婚披露宴の時も(披露宴の入場行進にもwww)BGMにエラとサラ・ヴォーンの歌を使ったほど。この秘密はマジで書きたくなかったけどw(← 強調)しかし、それくらいエラの歌が好きと言う一つの譬えで書かせて貰いましたw
披露宴で使った曲は全部自分で用意したけど、結婚式の会場の人から「結婚式のBGMの参考にするから、全部、曲名を教えてくれ」と言われたほどの評判を頂きましたw
目次
エラの生誕100周年を記念して出された音がキレイな彼女のアルバム
エラは比類なき存在。三大女性ジャズシンガーの一人とも言われているけど、自分は間違いなくその頂点はエラと思っている。色々なジャズ・ヴォーカルを聴く事があっても、結局「エラが一番」とそこに帰りたくなる。録音が古い事が殆どだから、つい最新のキレイなアレンジに耳が行きがちだけど、去年、本当に嬉しいエラのアルバムが出た。
”SOMEONE TO WATCH OVER ME”
ELLA FITZGERALD/LONDON SYMPONY ORCHESTRA(アマゾン)
今もそれを聞きながら書いてるけど、去年、エラの生誕100周年を記念してエラの昔の録音を基にロンドン交響楽団(すげぇ!)の最新の伴奏を重ねて、現代の人が聞いても全く違和感ない美しい録音に仕上げた逸品。現代の音楽編集と録音技術がエラの歌を蘇らえてくれた。
秋はジャズだ...と言う人も多いようで、このアルバムは特に秋の夜長に肩から力を抜いてのんびりしたい時とかのBGMにうってつけに思う。
これはそのアルバムのタイトル曲で、カーシュウィンの超スタンダードの一つ。CMとかで聞いた事がある人も多いかもしれない。
最近では、2014年、スーザン・ヴォイル(オーディション番組から出て来た人)の録音で、その曲が含まれたアルバムがビルボードのアルバム・チャートで14週ランクインすると言う快挙を作っている。また、エラのこのアルバムも去年ビルボードの6位を記録している。
知ってる人しかわからないと思うけど、ナタリー・コールが父親のナットキング・コールの古い録音を使用して夢の親子デュエットとして「アンフォーゲタブル」を大ヒットさせたけど、ナットキング・コールの歌を蘇らせた同じタイプの手法で、エラの歌を現代に蘇らせた感じ。
これも、同じアルバムの中からの曲で、エラのYouTubeの公式ページがあって驚いた。3曲しかないけどw 何とも可愛らしい動画で嬉しくなった。
日本は実は根強いジャズ・ファンが多い国で、それでもジャズのアルバムがヒットチャートを賑わすなんてあまり考えられないけど、ジャズ発祥の地アメリカではたまにこういう快挙がある。...と言うか、エラと言う名前は、アメリカだけではなく、世界的にそれくらい偉大な名前であって、今でも途切れず愛され続けている。自分のような世代の奴でも魅了されるんだから...w
エラが挑戦したロックの名曲「サンシャイン・ラブ」
それで、相変わらず前置きが長くなってしまったけど、しかし、エラが挑戦して来た音楽はジャズにだけに留まらず、幾つかのロック・スタンダードも歌っている。
一つはあまりに有名なこれ。エリック・クラプトンが居たクリームの「サンシャインラブ」(原題Sunshine of Your Love)
クラプトンのギターとヴォーカル。この曲は1967年に出されて、今でも多くの人がロック・スタンダードとして認識してるし、クラプトンも未だにライブでこれを演る事がある名曲。
それで、なんとエラが69年頃にこの曲をやっている。
https://youtu.be/pKTg6VhkafU
モントルーのジャズ・フェスだけど、ジャズ風にアレンジした人も凄いけど、エラは自分の持ち歌のようにパワーソウルなニュアンスで歌いあげている。
それでも、この曲が持つアンニュイでやや退廃的な雰囲気はそのままで、ジャニス・ジョプリンがエラの歌に影響を受けた...と言う話が心から納得できる。それに、先に紹介したキレイな音のスタンダード集より、この曲の方がエラの歌の迫力が伝わる感じ。
本物のミュージシャンは、ライブでどんだけのパフォーマンスが出来るかで評価が決まる。特にジャズの世界はね...。
こちらがアルバムに使われてる音源の方。録音がキレイ。
この曲が含まれるアルバムの一曲目もビートルズのスタンダードの「ヘイ・ジュード」で、これまたエラらしく一味違うニュアンスと解釈で聞かせてくれる。
← アマゾンでも希少になってる感じ...。自分はSportifyで聞いてるけど。
ビバップする「ヘイ・ジュード」w
個人的に驚く事は、エラが「サンシャイン・ラブ」を歌っているのは、クラプトンらのクリームが発表した僅か2年後と言う事。
当然、クリームのオリジナルが出た時は自分は生まれてもないから当時の事は知らないけど、多分、当時もこの衝撃的な曲は非常に話題になって多くのアーティストにインスピレーションを与えたと思う。
しかし、50年後の未来において、これほどロック・スタンダードとして敬愛され続ける曲になる...とは、当時の人は殆ど想像出来なかったと思う。
時が流れて、その時の重みは更なる価値をこの曲に与えて来たと思うし、この曲に挑戦していたエラと言うジャズの本当のプロとしてその道を決して外す事がなかった人の評価までに影響与えているように思う。エラは、多分、アレサ・フランクリンが歌っていたようなソウルを歌っても成功出来たように思えて来る。
サラ・ヴォーンも81年にビートルズのカヴァー集を発表してるけど
実は、先日サラ・ヴォーン(三大女性ジャズシンガーの一人)が81年に出したビートルズのカヴァー集を聞いていて、バックは当時の「時の人」のようなすごいミュージシャン達。
TOTOのポーカロ兄弟、デビッド・ハンゲイト、そしてデヴィット・ペイチ親子(父は偉大なるコンポーサー&アレンジャー)がやっているんだけど(要するにボズ・スキャッグスの名曲「ロウ・ダウン」の時の録音メンバー)、個人的に一部の曲は「これじゃない感」がものすごかったw
いや、本当はよく出来ているアルバムで、ジャズ・ピアニストでアレンジの達人であったマーティ・ペイチ(TOTOの主要メンバーのデビッドの父)が参加してるから後半のジャズ系はアレンジは素晴らしい曲も多い。
自分はサラ・ヴォーンも大好きで、彼女はエラより色々なジャンルの曲に挑戦する事が多かったけど、それでもクリームのような超ロックの曲に挑戦する...とかは無かったと思う。ビートルズはかなり柔らかいロックの方に分類だと思うし。
そう意味でもエラがクラプトンのヘヴィ・ロックと言うべき「サンシャイン・ラブ」に挑戦していた...と言う事は自分には驚くべき事で、サンシャインラブのエラの歌い方が無かったら、歌い方が変わっていた後のシンガー達さえ居るようにさえ思えても来る。
サラ・ヴォーンの最後のスタジオ録音 エラも一緒に参加
そういうジャズ・シンガーの世界を背負って来た彼女達二人が、晩年(89年)、クインシー・ジョーンズのリーダーアルバムに集結する事になった。
リード・ヴォーカルではないものの(スキャットで参加)、ウェザーリポートの超名曲「バードランド」を演った事についてはマジで震えた。この録音には、トランペットの超巨匠、マイルス・デイビスとガレスピーまでが参加している。ギターを弾きまくっているのは、ジョージ・ベンソン。
この曲を聞いていつも思うけど、こういう現代のアレンジのジャズで活躍する彼らをもっと長い時間見ていたかった。
←余談:マイルスのNuJazzについては、プレイリストを作ってあるw
是非、今の音楽しか聞かない人(特にヒップホップとかね)にも聞いて欲しいけど、本当にマイルスは何をやっても超格好いい。
話を89年のクインシーのアルバムに戻すと、クインシーの話ではこのアルバムはサラ・ヴォーンの最後のスタジオ録音になったらしい。サラは翌年の4月、肺ガンで亡くなっているし、エラはその6年後まで健在だったけど、糖尿病が悪化して両足切断...とか胸が痛くなるような出来事があった。マイルスもこの録音の2年後に亡くなり、ガレスピーも4年後に亡くなっている。
そういう意味でも、こういうジャズの超巨匠達を集めて、現代の人が聞いても普通に「スゲー」と思える名録音を作ってくれたクインシーには本当に感謝しなくてはいけない。クインシーは85歳の今でも音楽の仕事を抱えまくって走り回っているようだけど...w
余談になるけど、9月21日にクインシーのNetflixのみで視聴可能なクインシーの伝記「a life beyond measure」の主題歌となる”Keep Reachin'”をマーク・ローソンとチャカ・カーンとの共演で発表してる。
(最近のクインシーについては別記事にするつもり)
最後はクインシーの89年のアルバムでエラとサラの両名とTake6が神聖にも思えるコーラスを聞かせてくれる本当に美しい曲、Setembro (Brazilian Wedding Song)を紹介して終わります。この作曲は、ブラジルの現代音楽の代表イヴァン・リンス。
Ella & Sarah、we love you Forever!!