最近、チック・コリアを聞いている日が多くなった。先月、チック(グラミー賞23回受賞と言う巨匠)は79歳でこの世を去る事になったけど、今、チック・コリアのプレイリストを作ろうと思っていて、なんか自分で作らないと気がすまないような感じだったりする。
しかし、チックが遺した音源が多すぎて悪戦苦闘中だし、上の音楽は、67年と言うすごい古い音源でスタン・ゲッツとしか書いてないけども、モダン・ジャズ界の超巨匠のピアニスト、ビル・エヴァンスと2つのピアノで共演していて、チック・コリア自身も非常にビル・エヴァンスからは影響を受けたと聞いている。サックスはボサノヴァでも有名なスタン・ゲッツと言う非常に都会的な洗練されたモダン・ジャズだったりする。
チック・コリアはLiveも観ているし、個人的には最も美しい音でジャズ・ピアノを弾くイメージがいつもあって、最初に彼の音を生で聞いた時の衝撃は忘れがたいものにもなっている。
https://youtu.be/w-XZu8DBLSs
自分達の世代では、ベースのジョン・パティトゥッチとドラムのデイブ・ウェックルとの共演を思い出すんだけど、上の動画はその二人との3年前の共演。(デイブ・ウェックルのドラムが凄すぎてw)
しかし、実際はチック・コリアにはもっと古いキャリアがあって、68年にはジャズ界の伝説でもある超巨匠ペッター、マイルス・デイビスのバンドでもプレイしていた。マイルスと一緒に演ったと言うだけで伝説になっちゃうんだけど、それにも負けないキャリアをその後も築いて行く事になった。
その中でもフュージョンの基礎を作ったと言う伝説にもなっている「リターン・トゥ・フォーエヴァー」(72年)はジャズ/フュージョンが好きな人には言うまでも無いような伝説的な作品で、これは新しいジャズのあり方について多くの人に衝撃を与えたと聞いている。
この「リターン・トゥ・フォーエヴァー」は本当はチック・コリアのバンド名で、ここでチックはフェンダー・ローズを弾いているけど、今ではジャズやフュージョンでフェンダー・ローズが用いられる事は全く珍しい事では無いけども、当時は珍しい事だったらしいし、このアルバムでスーパーベースを聞かせるのは個人的に最も愛しているベーシスト、スタンリー・クラークだったりする。リターン・トゥ・フォーエヴァーでのチック・コリアの相棒だった。
今聞いても斬新な音で、ジャズとプログレが融合した感じにも聞こえるし、1枚のアルバムにたった4曲しか入っていない…と言うのもプログレと共通するような感じにも思うw
今年の3月15日に行われた第63回のグラミー賞でもチック・コリアのトリビュートがあって、彼が遺した「Trikigy2」と言うアルバムが最優秀ジャズ・インストゥルメンタル・アルバム賞を受賞して、色々とアメリカのジャズ界を支えて来た貢献が評価される事になった。
こちらのサイトでチック・コリアの日本語の字幕付きの追悼特集動画が見れる。
本当はもっと色々書くべき事はあると思うんだけど、納得ができるプレイリストが出来たら、また何か話したいと思う。