2年前の2月、ジャズ&フュージョン界の稀代のボーカリストの一人であったアル・ジャロウが亡くなった時、彼とずっと一緒に仕事をして来たジェイ・グレイドンとの話を絡めて一つの追悼記事を書く事になった。
アル・ジャロウが70年後期から活動していた人であった事を思えば、相当沢山の人に読んでもらう事になって、同時にアル・ジャロウとジェイ・グレイドンの仕事について書ける人が少なってしまっている事も痛感した。こんな若輩者がそれについて偉そうに何か書いていいものなのか躊躇したりもしたけども、アル・ジャロウを崇拝する気持ちがそれを書かせてしまったw
しかし、この記事はジェイ・グレイドンと言うアル・ジャロウと名盤を作り続けたギターリスト&プロデューサーとの仕事がメインで、アル・ジャロウはその後も様々なアーティストと共演して素晴らしい作品を作って行くけども、なぜか自分の強い関心はここで終わっていると言うのも本当かもしれない。
(上のお借りしてきた動画は、デビッド・フォスターとのエアプレイでのアルバムの曲のLive。ジェイ・グレイドンも歌も歌うし、多分、フォスターより歌は上手いw)
それ位、ジェイ・グレイドンと言う人も自分には特別な人で、完全なジャズ畑出身のギターリストでないにも関わらず、彼がプロデューサーとして関わって来たアーティストはジャズ畑の人が多くて、アル・ジャロウ、マンハッタン・トランスファー、ジョージ・ベンソン、エル・デバージ。
特にジェイの仕事を語る時、アル・ジャロウと並んでマンハッタン・トランスファーは外せない気もするし、それほど多くは無いけども、ジョージ・ベンソンとも本当に格好いい仕事をしている。上にプレイヤーにジェイ・グレイドンがプロデュースしたり作曲陣として加わっている曲を本当にごく一部だけども纏めてみた。(スティーリー・ダンの「ペグ」だけは超伝説のギターとして参加)
個人的には、5曲目のジョージ・ベンソンの"Starting All Over"は、曲もメチャクチャ良いんだけども、色々とツッコミどころが多い曲で好きだったりする。
この曲を書いているのは、ボビー・コールドウェルで、コーラスには、シカゴで活躍していたビル・チャンプリンとジェイソン・シェフ。まるで、ベンソンが率いるシカゴみたいで、バックコーラスが80年代のシカゴすぎるwww
いや、シカゴを80年代に再びヒットチャートに戻したのは、エアプレイをはじめジェイと長らくコンビを組む事も多かったデビッド・フォスターの方だったけども、このベンソンの曲はデビッド・フォスターは関わっていなくて、ジェイがアレンジもプロデューサーもやっている。しかし、非常にシカゴとのコンビネーションと言うのを意識させる曲作りになっている。
因みに有名な話だけど、デビッド・フォスター、ジェイ・グレイドン、この曲でコーラスで参加しているビル・チャンプリンは、アース・ウィンド&ファイアーの超名曲「After the Love has Gone」(プレイヤー2曲目)の作曲陣としても有名。
ジェイ・グレイドンの話をしだすと収拾がつかなくなる可能性があって、今日は時間が無い事から避けるけども、一部の音楽ファンから多大な支持をもつジェイ・グレイドンの本が今年のジェイの誕生日である10月8日に発売になっている。(御年70歳とか驚き…)
アマゾンの商品紹介やその音楽系雑誌の出版会社のシンコー・ミュージックのサイトでもその概要を読めるけども、ジェイ・グレイドンのロングインタビュー、彼が参加した作品、使用機材とか約200ページが全部ジェイ・グレイドン。
特に日本ではジェイ・グレイドンは、エアプレイを一緒にやったり、共に曲を書く事が多かったデビッド・フォスターと並んで人気がある人で、一度彼らの仕事を纏めたいと思うものの、あまりにも参加作品が多くて、個人レベルで書くのはかなり難しいとさえ思う事もあるw
アル・ジャロウが亡くなった時に書いた記事には、ジェイ・グレイドンの言葉を訳させてもらったけども、そこで彼が自分の自叙伝に取り組んでいる…とも言っていて、それもこの本に関係するのかな…?
しかし、どうであれ、今では知る人ぞ知るジェイ・グレイドンの記録が本として纏められた事は、ファンにとっては嬉しい事で、自分もこの本でジェイの仕事を勉強したいと思っている。